BlockChain Advent Calendar 2017 の13日目の記事です。
私は個人的にブロックチェーンのコミュニケーターとして、この技術の普及にこれまで3年ほど関わってきました。仮想通貨やブロックチェーン関係の書籍を読んだり、カンファレンスにも参加し、いくつかのイベントでは企画にも関わりました。また、ビットコイン研究所サロンなどの有料会員にも入会して多くの知見も得ました。だいたい3年ぐらいたったでの、このあたりで一度これまで感じた事について自分なりに振り返ってみようと思います。
1.読んできた書籍について
読書が好きで、これまで様々なビジネス書や技術書を読んできました。その中でもフィンテックやブロックチェーン関連の書籍もたくさん読みました。その中でも個人的に印象に残った本は「ビットコインとブロックチェーンの思想」、「ブロックチェーンの未来」、「ハーバードビジネスレビュー ブロックチェーンの衝撃」になります。この三冊はアートや哲学、量子コンピューター、分散ネットワークの専門家が見たブロックチェーン、未来についてなど他の書籍とは一線を画するものなのでとても気に入っています。他にも以下のような書籍を読みましたが、わかりやすかったり、学びの多い書籍がたくさんありました。
2.仮想通貨・ブロックチェーン関連で参加したカンファレンス
ビットコインやブロックチェーンに関するカンファレンスにも、そこそこ参加しました。 これまで参加してきたイベントで印象的なものを以下に列挙します。 この中でも毎年行われている「新経済サミット」はブロックチェーンに限らず、テクノロジー、ビジネスの面でも多くの刺激があるので、かなりオススメです。
日付 | カンファレンス |
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2015/02/23 | Rakuten Financial Conference 2015 |
2015/07/06-07 | THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2015 TOKYO |
2015/09/25-26 | Breakthrough Summit 2015 |
2015/12/18 | ブロックチェーンサミット ビジネスセッション |
2015/12/19 | ブロックチェーンサミット デベロッパーセッション |
2016/04/07-08 | 新経済サミット2016: NEST |
2016/07/05-06 | THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016 TOKYO |
2016/09/28 | Rakuten FinTech Conference 2016 |
2017/03/12 | WIRED BLOCKCHAIN SUNDAY |
2017/04/06-07 | 新経済サミット2017: NEST |
2017/07/25-26 | THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2017 TOKYO |
2017/09/27 | Rakuten Fintech Conference 2017 |
3.分科会的なもの
定期的に開催される分科会や勉強会に出席したり、技術情報サロンにも入会しています。
名称 | カテゴリ |
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ビットコイン研究所サロン(有料) | Facebookページ |
ビットコイン研究所(無料版) | Facebookページ |
自立分散社会フォーラム(DASF) | 月例会(年会費) |
ブロックチェーンアカデミー | 勉強会(不定期) |
Blockchain EXE | 勉強会(毎月) |
暗号通貨読書会/勉強会 | 勉強会(毎月)、読書会(毎月) |
私自身がブロックチェーン関連で企画したり発表したイベントは以下になります。
日付 | イベント |
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2016/09/21 | PyCon JP 2016 |
2016/10/12 | みんなのPython勉強会#17 |
2017/01/31 | BPStudy#113 |
2017/03/12 | WIRED BLOCKCHAIN SUNDAY ブロックチェーンでビジネスを革新せよ |
2017/06/17 | 基礎から学ぶ「ブロックチェーン」と「仮想通貨」ビジネス |
2017/10/13 | アスキー総合研究所 量子コンピューターと暗号通貨 ~最注目分野の現状、量子技術はFinTechを刷新するのか~ |
その他で取り組んできたこと。
ブロックチェーン以外には、Pythonやビッグデータ、機械学習、イノベーション、組織開発、サスティナビリティに興味があります。 5つの技術コミュニティでスタッフ行い、主に企画を担当しています。また、ビジネスモデルイノベーション協会のコンサルタント資格を目指して、修行中の身でもあります。
コミュニティ | 概要 |
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Start Python Club | 勉強会(毎月) |
fin-py | もくもく会(毎月) |
found it project | 勉強会(不定期) |
Fin-JAWS | 勉強会(2ヶ月に1度を目処に開催予定) |
X-Tech JAWS | 勉強会(4半期に一度) |
これまでのふりかえり
以上の経験や実績の上で、これまで仮想通貨やブロックチェーン技術に関わり、感じてたことが3つあったので、以下でそれぞれについてふりかえり、持論につても述べてみます。もし誤った解釈があればご指摘ください。
(ふりかえり:その1)ビットコインでは資本主義の課題は解決できないのでは?
ビットコインによる非中央集権化は、資本主義によって起きた富の配分への偏りを改革できる可能性があるのではと期待したこともありました。ライトニングネットワークやサイドチェーンによってマイクロペイメントが実現できれば心底喜ぶ人がたくさんいるんじゃないかとも。でも、ここ最近のマイナーや取引所にで中央集権化が起こっていると感じることがあります。もしこれが事実なら、インターネットの到来によってGoogleやAmazonなどのユニコーン企業が支配したことと何ら変わりがなく、富の偏り先が変わっただけになるのではないかと。 なので、プラットフォームに近い取引所は利益を追求しない大学連携や非営利団体が管理し、マシンパワーを持つマイナーが有利にならないようなマイニング方式も導入すべきではないかと感じることがあります。もし、そのような改革を場合には、もはやビットコインとは別のスキームで実現させなければならないでしょう。インパクトの大きなものを出すと、すぐに叩かれてしまうので、ビットコインの時と同じように、最初は目立たない程度にひっそりと運用させて、ある程度の品質が担保できてから一般にも認知させるような戦略が必要かもしれません。 人々が本当に行いたい価値の尺度や移転、保管を正しい方法で実現するにはどうすべきかについては、あらゆる可能性を含めて考えていきたいです。
(ふりかえり:その2)エッジコンピューターの発展がカギ
今後のストレージ技術の発展によって、分散されたエッジ側には、より大量データを保存できる技術やアイデアができることを期待したい。エッジ側でさまざまな証跡や実績が残せることはブロックチェーンにとっては重要な要素となりうるからだ。 ただスマートコントラクトについては、今後のエッジコンピューティングによるAI発展を配慮して、イーサリアムのポリシーであるチューリング完全ではなくてもいいのではと思っている。サーバーやスパコン、量子コンピューターなどの中央側のHPCの成長も重要だが、エッジ側のAIコンピューターの発展や電力供給の発展は分散ネットワークや、P2Pの進化に大いに影響を与え、そこには負荷分散の仕組みも取り入れることができればなと思う。
(ふりかえり:その3)人のつながりや信頼を滑らか効率化できるP2P技術に期待
WinnyやPEZYから事件が起きてしまうような日本の社会体質そのものが、日本のこれからの未来が、他国に比べて成長を鈍化させる要因になるのではと危機感を持っている。大企業でのハンコ社会や、多くのステクホルダーへの根回し、だいたい決まった内容の契約締結の紙文化のやりとりの手間など、そもそも私たちが本来行うべきビジョンやゴールへ向かって取り組む作業というのは、こんな事ばかりで本当にいいだろうかとも感じる。 でも、こういった改革については、「中間職や管理職は、何とも思ってない!」という私を含めた全員が当事者意識を持ち組織全体で真剣に改善させなれれば改善できないだろう。だが、それを打ち破ることさえできれば、その延長上には自動化できることはほぼ機械に任せて、人間が本来に力を発揮すべきことに集中できるかもしれない。そうなれば、好きな場所や環境で創造的な作業に専念することが仕事になるかもしれません。その場合は大きな組織すら必要なく、小さな組織やチーム同士が、地域からリモート環境で緩やかに強みのあるスキルをビジネスマッチングさせあうことで、新たな価値提案を提供し改善し続けます。その証拠や実績をブロックチェーン上にタイムスタンプとして記録できれば、監査や会計チェックもこのヒストリカルから自動でチェックしたり課税できるので、あらゆる面で効率化が行われ、モチベーションも高まりそうな気がします。 改善にはテクノロジースキルも重要だが、組織開発によって、当事者意識を持ったり、ビジネスモデルのスキルを磨くことがまずは大切だと感じております。
次へのステップ
今後、未来がどうなるのかについては、ますます不確実性な状況になるでしょう。なので、最新技術や目先の利益だけを追い求めても、大きな変換点(ブラックスワン、ティッピングポイント、ビッグピボット)が起こった時には、これまで取り組んできたことが無駄になる可能性すらあります。 自分や自分の子供たちの10年後、30年後の未来も幸せであり続けるにはどうしたらいいのだろうか?私の意識は、ある時からここに注力しはじめています。 特に尖ったスキルは持ってません。今の職場は副業も許されてないのでパラレルキャリアもできません。なので私にとっては、様々な事に興味を持って取り組める能力が高めることが、不確実な未来も柔軟に対応できるて楽しみながら生きていけるのではないか。さらに環境問題や社会、組織へも配慮ができると、持続的に成長し続けるスキルも一緒に持つことができるのではと思っています。
まとめ
本当にしょうもないことばかり書いてしまって申し訳ございません。
仮想通貨やブロックチェーンにはまだキラーアプリがありません。分散ネットワーク技術がさらに進化して素晴らしいソリューションサービスができることが私の願いです。そうすれば、私にとって一番過ごしやすい日本で気に入った地方を移り住みながら、その地域経済の発展にも関わり、いつまでも家族と楽しく過ごせれるのでは。というのが私の夢や目標となります。
仮想通貨やブロックチェーン技術の話題が少なかったのですが、今はIOTAのDAG技術や、ZCashのゼロ知識証明による匿名化に注目して勉強しています。資本主義の課題を改革できるまでのパワーが感じらる非中央集権社会が実現でき、かつ匿名化やセキュリティとマネーロンダリング対策のバランスも持ち、利用者への安全と社会への秩序を重視したキラーアプリはどうやったら創造できるのかなといつも考えています。