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ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀

2019年12月20日に『ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀』が出版されました。

マインドマップによる整理

TBD

目次の俯瞰

ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀
    序文 オークションが自由をもたらす
        西側でいちばん格差の大きな国
        行き詰まった改革の処方箋
        ラディカル・マーケットとしてのオー ション
            右派と左派の欠陥
            オークションが世界を救う
        リオを売りに出す思考実験
            オークションがもたらす四つの変化
        ラディカル・ヒーロー
            ウィリアム・S・ヴィックリーの記念碑的な論文
            ヴィックリーのビジョンを具体化する
    序章 自由主義の秩序の危機
        「歴史の終わり」と置き去りにされた急進派
        無視された格差の問題
        リバタリアン的な願望と平等主義的な目標を結びつける
        格差
            格差の拡大と失われた賃金
            国家間の格差
        停滞
            鈍化する生産性
            生かされない労働力と資本
            成長率の減速と格差の拡大が同時に進行している
        対立
            ポピュリズムとナショナリズムの台頭
            多数者集団と少数者集団の対立
        市場と市場批判
            「モラル・エコノミー」 という小さな共同体
            モラル・エコノミーの利点と限界
        真の市場のルール
            市場経済を成立させる三つの原則
            原則1 自由
            原則2 競争
            原則3 開放性
            三つの原則を損なうもの
            自由主義の内部分裂
        完全競争という幻想
            不完全な市場システム
            市場が存在しない領域
        ラディカル・マーケットをイメージする
            本書で主張されるアイデア
    第1章 財産は独占である 所有権を部分共有して、競争的な使用の市場を創造する
        エスピノーサのケース
        通行権という障壁
        資本主義と自由か、資本主義と独占か
            財産の私有化が資本主義をもたらした産業革命における格差と非生産性
            投資されることなく、使われることのない土地
            私的所有が効率的な資源の配分を妨げる
        中央計画、企業計画
            独占問題に対する二つのアプローチ
        所有権のない市場
            競争的共同所有
            ヘンリー・ジョージの「土地税」と「モノポリー」 ゲーム
            ジョージ主義の欠陥
        「社会主義」の魂をめぐる闘争
            中国とロシアの革命
            中央計画制の欠点
            私的な交渉と独占問題
        設計によって競争を促進する
            ヴィックリーが提示したオークションという制度
            オークションの問題点とその解決策
            会社の所有権を決める入札システム
            資産に投資するインセンティブ
        価格も税金も、自分で決める
            財産の自己申告制度
            住宅の価値を評価する
            税率を調整して投資を促す
            「共同所有自己申告税 (COST)」によって所有権を社会と保有者で共有する
        COST運用の七つのポイント
            COSTはどのように機能するのか
        一税二鳥
            「シグナリング」と「保有効果」が消滅する
            借り入れという問題も解決される
            取引の障害が減少する
        公的リースを最適化する
            公的市場へのCOSTの導入
            COSTはさまざまな公的資産の管理に役立つ
        真の市場経済
            COSTの劇的な経済の改善効果
            COSTはどのように平等化をもたらすか
        仏教の最善の教えに従い、公正なコモンウェルスをつくる
            個人的に思い入れがあるものが売られないようにする
            モノより経験
            富の分配が社会的信頼を育む
    第2章 ラディカル・デモクラシー 歩み寄りの精神を育む
        ケンタロウのケース
        二次の投票 (QV)が政治を変える
        民主主義の起源
            多数決の危険性
            混合政体
        民主主義の台頭と限界
            少数者の権利を守ろうとしたアメリカ合衆国憲法
            グリッドロック (膠着状態)
            形を変えたエリート支配
            フランス革命と民主主義の利点とパラドックス
            選好の強さを反映できない投票
            多数決がヒトラーによる独裁を招いた
            イギリスの功利主義者たち
        民主主義を根本から改革する
            公共財に関する集合的決定
            投票が他者に課すコストを支払う
            環境汚染の限界費用
            少数者が支払うべき費用の計算
            費用は二次関数的に増加する
        二次の投票
            票数の2乗のボイスクレジットで票を買う
            ただ乗り問題と多数者の専制問題
            QVがうまく働かないケース
            強い関心を持つ少数者が多数者の支配から守られる
        QVの実践例
            世論調査とマーケットリサーチ
            weDesignソフトウェア
            QV調査は選好の強さを明らかにする
            評価システムと社会集団システム
            QVの応用範囲を広げる
        民主主義を民主的手段で実現する
            複数候補・単一当選者選挙制
            代表制民主主義
            QVの通貨としての性質と取引の範囲
        合理的な譲歩へと導くラディカル・マーケット
            QVがもたらす経済的利益
            QVは社会をどのように変えうるか
            QVが共有と協力をもたらす
    第3章 移民労働力の市場を創造する 国際秩序の重心を労働に移す
        デルフィーンとファビアンのケース
        進まない一般的な技能を持つ労働者の移住
        自由貿易の起源
            交易と移住の歴史
        移住が重要になる前の世界
            自由移住よりも自由貿易
            国家間と国内の格差の推移
            18世紀と20世紀における移住に対する姿勢の変化
        グローバリゼーション
            新たな国際秩序
            お金は自由に移動するが人は自由に移動できない
        移住を阻む壁
            移住の自由化がもたらす利益
        いまのまま移住を拡大していいのか
            国境の開放がもたらすもの
            アメリカの場合
            ヨーロッパの場合
            移民に対する反発の広がり
        ビザをオークションにかける?
            オークションをベースとした移住システム
            移民が平等をもたらす
        ビザを民主化する
            「個人間ビザ制度 (VIP)」
            身元引き受け人のシナリオ
            VIP制度に必要とされる法律の整備
            H1-Bプログラムとの比較
            オペア制度という先例
            政府でなく個人と共同体が受け入れを判断する制度面での支援
        VIPは機能できるのか
            移住の利益を共有する
        市民レベルの国際協調
            移民が利益をもたらす
            VIPは労働者の対立をなくす公正な制度
            VIP制度が格差を助長しない四つの理由
            移民に対する反感を共感に変える
    第4章 機関投資家による支配を解く 企業支配のラディカル・マーケット
        オブロモフのケース
        世界を支配する機関投資家
        千の顔を持つ独占者
            巨大企業による独占
            反トラスト法
            「赤の女王」 現象
        頭のないタコ
            誰が株式会社を所有し、支配するのか
            反トラスト対策と企業統治という対立する規制
        楽な資本主義
            投資先を分散させることによるリスク回避
            機関投資家とは誰か
            トラストのように振る舞う機関投資家
        インデックス運用のどこが悪いのか
            市場集中の度合いは何によって決まるのか
            機関投資家が価格競争を阻止する
            航空業界と銀行業界の競争のケース
            機関投資家の支配が賃金を下げる
        競争を回復する
            機関投資家による株式の所有を制限する
            コーポレートガバナンスを改善する
            分散投資に及ぼす影響が小さい三つの理由
        法的な根拠
            機関投資家にクレイトン法第7条を適用する
            機関投資家に対して訴訟を起こすことの問題点
        独占を克服する
            労働者に関する買い手独占の問題
            労働市場における「再販価格維持」
            反トラスト法が執行されない領域
            機関投資家による独占を阻止する
    第5章 労働としてのデータ
        ――デジタル経済への個人の貢献を評価する
        ジェイラのケース
        データの生産者としてのユーザー
        タダで収集したデータが莫大な利益をもたらしている
        「データ労働」の源流
            対価なき労働
            インターネットの収益モデル
            グーグルが広告ビジネスに参入した三つの理由
        「思考する」 機械をつくるための工場
            機械学習 (ML) とは何か
            人間の脳の構造を模倣する「ニューラルネットワーク」
            ニューラルネットを動作させる三つの要素
            「過学習」という問題
            必要となる膨大なデータ量と計算量
        セイレーンサーバー
            コンテンツに報酬を支払わないプラットフォーム
            AIが仕事を奪い、労働分配率を下げる「労働としてのデータ」
        ダイヤの原石
            自然に手に入る資源としてのデータ
            標準的な統計
            機械学習におけるデータの価値
            データが増えてもデータの価値は減らない
        テクノロジー封建主義
            プラットフォームによるデータの市場価値の独占
            データにラベル付けをする仕事
        セイレーンサーバーがユーザーにデータの価値を支払わない理由
            労働は余暇になり、仕事は娯楽になる
            データ労働市場における買い手独占力の問題
            オンラインの娯楽という魔法
            デジタルサービスに対する不信感
            高度な技術システムの必要性
            独占状態を打破し、生産的なモデルへとシフトする
        労働者の闘争
            カール・マルクスの主張
            労働組合が果たした役割
            データ労働者の組合
        データの価格
            データ経済への個人の貢献の価値を評価する
            デジタル労働市場のための規制インフラ
        データ労働のラディカル・マーケット
            データ労働から得られる所得
            社会に貢献しているという意識
    結論 問題を根底まで突き詰める
        トゥエンのケース
        浮かび上がる共通のビジョン
        経済
            制度が経済の進路を左右する
            本書で提案された制度
            格差の是正と成長率の改善
            COSTを人的資本に適用する
            COSTを人的資本に適用することの二つの問題
            才能のある人と才能のない人の自由の格差が改善される
        政治
            平等と効率がもたらされ政治と経済が調和する独占がもたらす問題を払拭する
            QVに金銭を使うことでもたらされる利益
        国際問題
            VIPがもたらす利点と課題
            QVが国際協調を促す
            QVが移民と自国民の対立を解消する
            COSTによって移民がもたらす利益が広く共有される
        社会
            市場が他人への信頼感や結束、寛容さをもたらす
            QVは差別や偏見をなくす
        よりよい世界をつくるために
            拡大する個人の主体性と責任
            操作や共謀を防ぐ法律と社会規範が必要となる
        公正な政策
            新しいアイデアを試し、繁栄と進歩をめざす
    エピローグ 市場はなくなるのか
        市場という奇跡
            中央計画制が失敗した理由
            鉛筆を一からつくるために必要な知識と計画
            経済を数学の問題とみなすという誤り
        並列処理装置としての市場
            市場はどのようにプログラムされているのか
            価格という必要最低限の情報
            市場は資源を最適に分配する強力なコンピューターである
        市場は時代遅れのコンピューターなのか
            市場はシリコンで複製できる
        コンピューターはあなたを計画できるのか
            中央計画者は人々の異なる欲求を推測できない
            アルゴリズムが人間の欲求を学習する機械が診断を下す
            データから個人の好みを推測する
            コンピューターが市場に取って代わる日まで
    謝辞
    日本語版解説過激で根本的な改革の書
    用語一覧