2019年10月10日に『ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略』が出版されました。
Amazonレビュー
ソフトウェア技術に関する知識をビジネスでのつながりで理解することができたり、今後のキャリアパスの考え方にも役立った。
ソフトウェア技術に関する知識をビジネスでのつながりで理解することができたり、今後のキャリアパスの考え方にも役立った。
ビジネスにおけるソフトウェア技術に関することを一気に学べます(添付画像を参考)。大まかな流れは、「第1章でこれからの事業はITが核になっていくことを知り、第2章では、その上で今の日本にはどんな課題があるかに気づき、第3章では、今後進むべき道とその解決のために身につける開発知識や周辺知識について学び、第4章では、それを活用してどのような組織を築くべきか、第5章では、その中で自分自身がどういったキャリアパスを目指すべきか」という形で理解していくことができました。
とくに自分には第3章が役に立ちました。その理由は、本やメディアで見聞きしたことのある表現が、全て網羅されていたからです。ビジネスのどのような場面で活用すべきかが丁寧に解説されていたのでとてもイメージしやすい。これまで自分が曖昧に理解してきた知識が鮮明となり、ビジネスとの関係性も見えてきたので本当によかったです。
また、本には何度も、"ソフトウェア技術はあくまでも手段であり、本来の目的は課題を解決することである。”と書かれていましたが、私はエンジニアなので、わかってはいつつも、技術のことを最優先してしまうことがあるので気をつけねばと思いました。
第3章で、様々な手法や戦略を学んだ後は、今度は組織としての取り組み方や、人材やキャリアについて紹介されていました。キャリアについては自分の知らない職位も紹介されており、今後、組織の中で、(または別の組織で)どういった実積を積み、どんなキャリアパスを目指していくべきか、そもそも自分は何に貢献していくべきかという自己啓発を行う事もできました。
さらに、これは経営者や関連部署の人にも読んでもらえたらいいなと思いました。ソフトウェア技術が、自分達のビジネスに深く関わることに気づけたり、事業に関連する新しい知識も学べるからです。そうなると、開発サイドはさらに仕事を進めやすくなるので、まさに一石二鳥です。
あまりにも多くのことを学べるのでそれだけで満足ですが、このような章の流れであることを意識して読んでみると、自分自身のキャリアをステップアップする事にも役立つので、参考にしていただければ幸いです。
目次の俯瞰
ソフトウェア・ファースト はじめに ボーッと生きてんじゃねえよ! 突然ですが、クイズです 1章:ソフトウェア・ファースト サービス化する社会 オール・シングス・マスト・パス 産業のサービス化とは サービス化を象徴するSaaSの普及 サービス化を支えるプロダクト開発手法の変化 未来のユーザーのために 機敏性を高めるアジャイル開発手法 走りながら考えるDevOps ソフトウェア・ファーストとは あらゆる企業活動を変革する Column アズ・ア・サービス開発、実践の前提条件〜サイボウズ 執行役員 開発本部長 佐藤鉄平氏に聞く 2章:IT・ネットの“20年戦争”に負けた日本の課題と光明 日本経済の没落とIT産業力の関係 80年代まで最強を誇った日本のハイテク産業 アプリケーションの時代になって失われた競争力 要因1:ITを「効率化の道具」と過小評価 過去の成功体験にとらわれITが持つ力を見誤る SI産業の歴史と拡大してきた背景 SIerの功罪 SIerが採るべき今後の選択肢 要因2:間違った「製造業信奉」から抜け出せない 開発の終わりがなくなった現代のソフトウェア パッケージソフトからSaaSへの移行で変わること 製造業の開発プロセスを参考にするべき点と異なる点 要因3:サービス設計〜運用面での誤解 「狩野モデル」で考える、間違った品質追求の愚 現実に即してない情報セキュリティポリシー データ活用に感じる2つの違和感 ITサービスで存在感を示すためのアイデア 「フィジカル×サイバー」領域の新規事業 プラットフォームを構築せよ Column あらゆるサービスは「課題解決」のためにある〜エムスリー VPoE 山崎聡氏、AI・機械学習チームリーダー 西場正浩氏に聞く 3章:ソフトウェア・ファーストの実践に必要な変革 DXの本質的な意味 バズワードに踊らされないために 各社それぞれの定義 DXの本質はIT活用を「手の内化」すること DXの勝者と敗者:ネットフリックスとブロックバスター DXは新たな価値を生み出す取り組み ポジション別に求められる意識の変化 経営陣は先頭に立つ マネジャーが変われば組織は変わる 現場社員が常に主役 「何を提案しても会社は変わらない」と嘆く前に プロダクト企画のやり方を変える ユーザーニーズを理解する難しさ プロダクトアウトは悪か 10X(テンエックス)を目指す 体を表す名とは 競合に対する見方を変える ハードウェアはソフトウェアのためにある? リーン・スタートアップとデザインスプリント アンチ・リーン・スタートアップ ユーザーを理解する プロダクトの骨太の方針を決める 骨太の方針の王道PRD 1枚ですべてを表すワンページャー プレスリリースから始めよう 話しにくいことこそ最初に決めるインセプションデッキ もし日本語ワープロを作れと言われたら OKRの精神に学ぶ リリース後の運用を最初から考える 使われないプロダクトはゴミ ユーザーの利用状況は宝の山 NPS®︎を活用する 全員を幸せにしなくていい ITがすべてではない 組織変革を並行して進める 変革の拠り所となるミッション エイリアンとミュータントを登用する デジタイゼーションとデジタライゼーション 経営陣の中で誰が決めるのかを明確にする 組織文化を変えるヒントは「インナーソース」にあり Column 変革には長期視点の「仕込み」が必要〜コニカミノルタ 執行役 IoTサービスPF開発統括部長 江口俊哉氏に聞く 4章:これからの「強い開発組織」を考える 理想の体制を考える前に 開発を外部委託する問題点 内製化に対する4つの誤解を解く 外部リソースを使っても問題ない場合は? 全員がプロダクト志向になる 内製化のモデルケース:アマゾンの倉庫自動化 開発組織を整備するステップ ソフトウェア開発に必要な職種 開発組織におけるマネジャーの役割 プロダクトマネジャーとエンジニアリングマネジャー CTOとVPoE 自社に合ったジョブ・ディスクリプションを作ってみる 職能組織と事業主体組織 出島戦略 エンジニアの採用難をどう乗り越えるか? 給与テーブルにひもづく人事制度を見直せ 採用後の定着も見据えて「評価」のやり方を変える 評価基準の設定に悩んだ時の解消法 採用戦略へのアドバイス 人材エージェント頼みの採用は間違い 最初の1名の重要性 組織文化を変える Column 変化に強い開発組織は「信頼」から生まれる〜さくらインターネット 代表取締役社長 田中邦裕氏に聞く 5章:ソフトウェア・ファーストなキャリアを築くには キャリア形成の「型」を知る T型のスキル構築 T型からπ(パイ)型へ 複数の縦軸を作る時の選び方 スキルの棚卸し 将来のキャリアパスを考える ソフトウェアエンジニアのキャリア3大分類 職位とパフォーマンスをどう評価するか マネジャーになることに抵抗がある人へ 日本の典型的な事業会社でキャリアを築くには 職種別・具体的なキャリアパス ソフトウェア・ファーストな人材になる第一歩 生涯「ソフトウェアに携わる人」として成長する POINT 1 “なんで俺だけ?” ー 社会人1年目 POINT 2 “ひたすら挑戦” ー 米国マイクロソフトへ出向 POINT 3 “このままでいいのか” ー マイクロソフトへの転職と汎用スキル習得 POINT 4 “Something New”ー 安定への恐怖〜グーグルへの転職 POINT 5 “Something new again” ー さらなる高みを目指して POINT 6 “独自色” ー スタートアップへの挑戦〜独立 すべては移り変わる おわりに 「はじめに」で出したクイズの答え合わせ 付録:モダンなプロダクト開発を行うための技術と手法 クラウドでのアズ・ア・サービス マイクロサービスアーキテクチャ 開発・運用手法の進化