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文化資本の経営:これからの時代、企業と経営者が考えなければならないこと

2023年12月22日に『文化資本の経営:これからの時代、企業と経営者が考えなければならないこと』が出版されました。

マインドマップによる整理

TBD

目次の俯瞰

文化資本の経営
    巻頭解説:佐宗邦威 新たなる価値を生み出すための普遍の原則
        経済資本から文化資本へという時代の流れ
        ロールモデルが失われた時代に
        「見えない資本」から価値を生み出すには
    文化資本経営が企業の未来を切り開く はじめに
        経済資本中心か 文化資本中心への転換
        経済資本経営 にぶつかった時代
        自然や社会から分離してきた経済の終わり
        地球規模のビジョンと具体的な場所のビジョンをもつこと
    1章 文化経済の時代の到来 文化が経済の力になるとはどういうことか
        豊かな文化資本をもった企業が伸びる
            企業活動は文化を生産している
            企業にとって文化資本とは何か
            経営とは経済的・文化的・社会的な総合活動
            経営活動の活性化を可能にするのは文化資本の働きである
            「経済・文化・環境」の総合活動が存在するようになってきた
        文化経済はこうして成立する
            社会関係の変化とともに文化は経済の要因として働く
            文化は自己生成しながら価値を変革することがある
            文化の影響関係は循環する
            文化複合には葛藤や対立がともなう
        文化と経済が対立しない場をどう生み出すか
            商品以外のものをつくり出せる可能性を生み出すこと
            経営の現実と接点をもった文化資本経営でなくてはならない
            分配の局面を文化資本優位に転換することが大切
        産業経済最後の段階で起きている新しい経済の動きをつかめ
            自由競争と公益性の対立をどう超えるか
            場所市場の開拓が地球市場の開拓となる
            資本がより自由に活動できる条件が整った時代
            生産時間を柔軟にとらえる
        二一世紀の企業は文化発信の機能をもつ
            文化発信基地のコンセプト
            世界で起きていることが即座にわかる場を
            仮想現実が前面に出ている状況で直接的、身体的なものが求められている
    2章 新しい経営アイデアが湧いてくる場所 近代的な知のあり方を超えて
        近代的な知のあり方を超えた新しい知の可能性
            機械的な知の精密化競争の時代は終わった
            内在的な知の側からとらえ返すこと
            自他非分離の知と自他分離の知の総合
        暗黙知の働きをどう活用するか
            情報処理能力とは構成し統合する力である
            語ることができるより多くのことを知ることができる
            暗黙知を形成する場所をどう仕掛けていくか
            暗黙知と企業組織
        経営とアートの結合がはじまっている
            経営とは創造的な行為である
            リーダーシップの真髄
            経営のコンセプトづくりは詩をつくる作業と似ている
            自己同一化されない 「快」の場を生み出す自己技術
            人間にとっての合理性は生命的な合理性である
        世界を描き、世界を語ることのできる経営
            若いアーティストがよい作品を生むのは壁や限界を知らないから
            ピカソも「楷書」から離れて 「草書」や「行書」に移って自分の世界が開けた
            「こうだ」と思ったら、その方向へ意志とビジョンをもっていくこと
            新しいものとは内部の渇望感を満たすもの
    3章 世界を丸ごとデザインできる経営を 日本語と日本文化がもたらすもの
        日本語には世界を全体的に表現する力がある
            文化資本経営の真髄は述語的な世界を内部化していくところにある
            日本語は主客非分離、自他非分離の述語的表現の歴史をもっている
            文字表象は表音と表意に単純に二分できない
            日本語には表意文字と表音文字を組み合わせる方法が多数ある
        文化資本経営にとって言語表現活動のもつ意味は大きい
            漢字文化圏では文脈の感覚が重視される
            ヨーロッパの目的合理性、目的論理性とアジアの形態合理性、形態論理性
            日本語には外部から来るものを排除せず取り込んでいく動きがある
            表音、表意、表語はシーニュ(記号)、ルプレザンタシオン (表象)、ロゴ(言葉/文字) とどう関係するか
        視覚的な表現は世界を包み込む
            視覚的な言語は自らの内部に物語を発見していく構造をとる
            日本人は文化的な二重言語状態に近い
            表音も表意の性質をもっている
        人を感動させるのは主語ではなく述語で表現できる力である
            日本語的な言語は述語的な意志を表現できる
            主語的世界ばかり見て述語の世界が見えなくなっている
            状態的言語のよさは境界を曖昧にしているところにある
            うなぎ言葉が示す日本語の特徴
        広告表現が転換する時代
            企業とはある価値観や現実の見方を社会化するための装置である
            表音の次元の広告表現が極限まできてしまった
            余白の美があるデザインを
    4章 文化資本経営は新しい環境空間を演出する 経済活動に環境をどう取り込んでいくか
        豊かな場所環境を生み出すための文化資本経営術
            場所の意志を設計する環境の取り込み
            企業環境と場所環境の非分離を設計すること
            領有空間の文化生産を営んでいくこと
        歴史的な都市を生かす新空間デザインの知恵
            銀座は日本近代の「世界に開かれた窓」だった
            一九六〇年代の近代主義で建てられた建物の多くは貧困である
            歴史的集積のある古い都市を二一世紀へ向けてどう再生していくか
            碁盤目状の街路の明快さと多様なものを組み合わせてデザインしていく知恵
        多様な魅力に満ちていた銀座から何を学ぶことができるか
            銀座の魅力は多様な要素を巧みに混在させているところにある
            生命的な統一性を欠いた機能主義の場所
            銀座は近代日本の商業空間として唯一成熟した経験をもっている
        銀座の過去の栄光と未来への可能性
            関東大震災直後の再生の意志と能力がその後の銀座には出てこない
            銀座は正統的な文化志向を基本にしている
            文化と商業がなくなればモノの均質空間しかなくなる
            銀座は非産業的な多様性をもつ意志を失ってしまった
        まったく新しい次元での空間演出の方法
            新たな次元での空間デザイン――六つの新しい構造をどう組み立てるか
            自社ビルには「何をしたいのか」 の表現が必要となる
            経済性・機能優先が変わらなければ空間は変わらない
            気持ちのよい場所には「厚み」がある
    5章 新しい経営を切り開くビジョンとは何か コーポレート・ガバナンスとリーディング・ビジョン
        新しい文化経済の時代のコーポレート・ガバナンス
            内実抜きのコーポレート・ガバナンスをめぐる議論
            これからの企業は三つのビジョンをどう組み立てるか
            分配と流通の場には社会ビジョンが見えなくなっている
        商品中心から資本中心の生産への転換
            場所市場の固有性への転換
            異質で個性的なコミュニケーション中心の世界への転換
            多様なアクションを保障する社会への転換
        企業ビジョンは社会ビジョン、生活ビジョンとどう結びつくのか
            民主主義の実質の変化にどう対応するか
            新しい環境・空間の形成をめぐって
            経営者のリーディング・ビジョンの果たす役割
        企業ビジョンと公益性
            企業活動自体が哲学や理念を提示できていることが重要
            「国益と公益の対立」 「公益と私益の対立」をどう超えるか
            公益が支える自由競争を
            既成の公益論に見られる三つの混同
            有用価値としての公益性
            公益性の観点から見たリーダーシップのあり方
            異質な価値観をも包容できるリーダーシップ
        コーポレート・ガバナンスの本質的な指針
            コーポレート・ガバナンスを支える三つの精神
            コーポレート・ガバナンスと三つの生産の関係
            個性的であると同時に普遍的であるところに独自性が出てくる
        コーポレート・ガバナンスと文化生産
            文化的なものと経済的なものとを非分離に関連づける
            社員のやる気は知の主体としての深みから起きる
            経済・文化・社会の関係の再検討
            伝説と神話を生み出せる企業に
    補章 文化資本経営の理論
        近代から超近代への流れ
            医療を施せば施すほど副作用が出てくる―逆生産の時代
            産業都市化――モノ、サービス、場所が均質化していく流れ
            近代を超えた先に「人間」 「社会」 「家庭」の変容が起きる
            自己・関係・空間をめぐる文化資本の内容が大きく変わる
        新たな文化市場を制するための企業改革
            知・アート・習俗の三大市場はどう変容するか
            文化経済市場は量的拡大ではなく微分的な形で切り開かれる
            トップのビジョンとすべての社員意識を文化資本化する
            企業体を文化資本化する過程
        文化を創造できる想像力豊かな経営とは何か
            未分化なものを非分離なものへ設計する想像的な生産
            すべてが経済になる状態に向かっている
        社会ビジョンから立ち上がる経営
            資本が独り歩きをする時代
            モノとして分配するのではなく空間として分配されること
            経営では分配の社会ビジョンと流通の再組織化が重要な位置を占める
        表象と生産と場の組み替え
            「新しい価値をつくる」ことが前近代の場で語られている
            資本の場と物質の場を組み替える
            アジアを新たな外在性として取り入れて語りかけていく文化の資本づくり
        世界的な学問課題と同質的な経営課題
            研究者と企業人の協働が大きなテーマとして浮かび上がってくる
            国民国家と国民市場が限界に達している
            先験的なものや経験的なものを乗り越えていくこと
            多元的な時間を設定してナショナリズムを克服すること
            思考されないものの新たな経済化の可能性をとらえること
            有限化と同一化による外在性の排除に陥らないこと