山口 拓朗氏の『文章が劇的にウマくなる「接続詞」』を読みました。 接続詞について、モヤモヤしていたことが整理できたので、目次などを表にまとめてみた。 自分の備忘録として使います。
接続詞の役割
- 適切なタイミングで正しくウィンカーを出すことによって、読む人に文章の行く先をさりげなく教えてあげるもの **
- 接続詞を削ることで「くどさが消える(ただし、読む人の理解度は落ちない。)」ようなら、使用を控える決断も重要 **
接続詞の効果
- 論理が明確になる
- 内容の理解が進む
- 文章にリズムが出る
- ニュアンスが伝わる
接続詞の一覧
# | 種類 | 接続詞 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 言い換える | 「つまり」 | 短く言い換えて本質を伝える |
2 | 「すなわち」 | 後続内容を強調する硬めの言い換え | |
3 | 「換言すれば」 「言い換えれば」 |
別の言葉でわかりやすく説明する | |
4 | 「要するに」 | ポイントを要約して伝える | |
5 | 「いうなれば」 | より的確な表現をしたいときに | |
6 | 「裏を返せば」 | 隠れ潜む意図をあぶり出す | |
7 | 順接する | 「だから」 「ですから」 「ですので」 |
接続詞のあと、書き手の判断を示す |
8 | 「したがって」 「よって」 |
当然この結果になります(結果にフォーカス) | |
9 | 「それゆえ」 「ゆえに」 「そのため」 |
○○というワケです!(理由にフォーカス) | |
10 | 「それで」 | 原因・理由のあとで事実を書く! | |
11 | 「そのお陰で」 「そのせいで」 「そのせいか」 |
結果がプラスか。マイナスか。 | |
12 | 「すると」 | パっとシーンが移る場面転換効果 | |
13 | 「そこで」 | 書き手の対応や行動を伝える前のタメ | |
14 | 「というと」 | 疑問解消、誤解防止、反論封じのテクニック | |
15 | 逆接する | 「しかし」 「しかしながら」 「だが」 「ですが」 |
それまでと相反する内容を伝える |
16 | 「ところが」 | 転機をドラマチックに演出する | |
17 | 「とはいえ」 「だからといって」 「とはいうものの」 |
先行内容を認めつつも、制限を加える | |
18 | 「けれども」 | 意見や感情を示す主観性の強い逆説 | |
19 | 「それでも」 「でも」 「(それ)にもかかわらず」 |
予測とは裏腹な結果へと行きつく | |
20 | 「それにしては」 | 予測外な結果を強調して伝える | |
21 | 対比する | 「○○に対して」 | 強めに対比関係を打ち出す |
22 | 「一方(で)」 「他方(で)」 |
対比関係を示す定番接続詞 | |
23 | 「逆に」 「反対に」 |
本来の方向がある→逆に 本来の方向がない→反対に | |
24 | 「(その)反面」 「(その)半面」 |
裏表は「反面」。二面性は「半面」 | |
25 | 「○○にひきかえ」 「○○とひきかえに」 |
「A」とは対照的な「B」を表現する | |
26 | 「だからといって」 | 認めながらも、全面賛同はしない | |
27 | 結論を導く | 「その結果」 「結果として」 「結果的に」 |
因果関係を明確にして結果を示す! |
28 | 「結局」 「結局のところ」 |
あまり好ましくない結果になった | |
29 | 「このように」 「こうして」 |
先行内容をまとめる形で結果を示す! | |
30 | 「というわけで」 | 理由(わけ)を明確にして結果へ進む! | |
31 | 「以上のことから」 「このことから」 「以上のとおり」 「上記のとおり」 |
丸ごと受け止めたうえで結論へ導く | |
32 | 「いずれにせよ」 「いずれにしても」 |
とにかく決着をつける! | |
33 | 「何はともあれ」 「何にしても」 「何にせよ」 「何はさておき」 「ともかく」 |
ほかのことはどうあっても、まずはコレ! | |
34 | 「つまるところ」 「とどのつまり」 |
「つまり」よりさらに「詰まった」ケースで | |
34 | 添加する | 「さらに(は)」 | 「おまけにもうひとつ」とたたみかける |
35 | 「しかも」 「おまけに」 |
意外性や書き手の心的態度を重ねて強調する | |
36 | 「そのうえ」 「○○のうえ」 |
客観情報を重ねて強調する | |
37 | 「それに」 | 先行内容と後続内容の価値は対等である | |
38 | 「それどころか」 「○○どころか」 「かえって」 |
先行内容を『取るに足りないもの』にする | |
39 | 「そればかりか」 「そればかりでなく」 「○○ばかりか」 「○○ばかりでなく」 「のみならず」 |
すでに相当の程度だが、そのうえさらに! | |
40 | 「(それに)加えて」 「ほかにも」 |
硬めの文章になじむ添加 | |
41 | 「ひいては」 | A(前述)がさらに発展してB(後述)になる | |
42 | 「それから」 | 時系列で次の場面に移るときの合図 | |
43 | 「そして」 | 使い方注意のカメレオン接続詞? | |
44 | 「まして(や)」 | Aでもそうなら、Bは当然そう! | |
45 | 補足する | 「ちなみに」 「余談ですが」 |
参考にしてもらいたい補足情報を示す |
46 | 「なお」 | それまでの話に少し書き添える | |
47 | 「ただし」 「ただ」 |
例外的な規定を設ける | |
48 | 「もっとも」 | 条件などの『漏れ情報』を伝える | |
49 | 「そもそも」 | 物事の「原点」や「核心」に迫る | |
50 | 「かわりに」 「そのかわり」 「そのぶん」 「かわりといってはなんですが」 |
AとBを引き換える | |
51 | 「実は」 「実をいうと」 「実のところ」 |
打ち明け話をする | |
52 | 「なぜなら」 | 理由や根拠を示すときの定番フレーズ | |
53 | 「というのも」 | 隠れた事情を示すフレーズ | |
54 | 「なにしろ」 「なにせ」 |
特筆すべき情報を示すときに | |
55 | 選択を促す | 「または」 | ふたつ以上のなかから選ぶ |
56 | 「もしくは」 | 「必ず選べ」という気持ちが強い | |
57 | 「あるいは」 | 「または」よりも、並べる物事の類似性が高い | |
58 | 「ないし(は)」 | 数量や位置の限界や範囲を示す | |
59 | 「それとも」 | 疑問文で使う『どっち?』の表現 | |
60 | 「はたまた」 | 同じ意味の言葉を重ねてMAX強調! | |
61 | 「むしろ」 「いっそ(のこと)」 |
AよりもBがベター | |
62 | 「強いていうなら」 「強いていえば」 「どちらかといえば」 |
あえていうなら。あえて選ぶなら。 | |
63 | 並列・列挙する | 「また」 | イメージは「and also」 |
64 | 「および」 | 意味は「and」 | |
65 | 「ならびに」 | それぞれ独立したものを並べる | |
66 | 「かつ」 | 前後をテンポ良くつなぎ、併存・並立を示す | |
67 | 「同じく」 「同様に」 |
同様の物事や説明を列挙する | |
68 | 「併せて」 「(それと)ともに」 「(それと)同時に」 「それに伴って」 |
一緒に! | |
69 | 「第一に~ 第二に~ 第三に~」 |
列挙フレーズ① | |
70 | 「最初に~(はじめに~) 続いて~(ついで~) 最後に~(その後~)」 |
列挙フレーズ② | |
71 | 「まず~ 次に~ さらに(そして)~」 |
列挙フレーズ③ | |
72 | 転換する | 「では」 「それでは」 |
「いよいよ本題に入ります!」の合図 |
73 | 「さて」 | 本題に移るときの合図 | |
74 | 「ところで」 「話変わって」 「ときに」 |
別の話題に切り替える! | |
75 | 「それはそれとして」 「それはさておき」 「それはそうと」 「それはともかく」 |
本題に移るときの合図 | |
76 | 「それにしても」 | 先行内容を認めたうえで、浮かんだ思いをいう | |
77 | 「思うに」 「思えば」 「そういえば」 |
考えたこと、思ったこと、浮かんだことをいう | |
78 | 「つきましては」 | 本題前に登場するビジネス文章の常連表現 | |
79 | 例示・仮定する | 「たとえば」 | 具体例を示す王道フレーズ |
80 | 「具体的には」 「一例を挙げると」 |
よりストレートに具体例を示す | |
81 | 「なかでも」 「とりわけ」 「とくに」 「ことに」 |
あえて有望株をピックアップする | |
82 | 「○○を例に挙げるまでもなく」 「○○までもなく」 |
さり気なく具体例を印象づける | |
83 | 「事実」 「実際に(実際のところ)」 「現に」 「その証拠に」 |
「本当か?」と怪しまれそうなときが出番 | |
84 | 「ひょっとしたら」 「ひょっとすると」 「ひょっとして」 |
「もしかしたら」の話し口調 | |
85 | 「だとすると」 「だとすれば」 「だとしたら」 |
「もしそういう状況なら」と結果を推測する | |
86 | 主張する | 「たしかに」 | 主張する前に『受容』しておく |
87 | 「もちろん」 | いうまでもないことだけど | |
88 | 「○○のとおり」 | まさしくそのとおり | |
89 | 「もとより」 | 「もともとそうですから!」といいたいとき | |
90 | 「さもなければ」 「さもないと」 「さもなくば」 「そうでないと」 「(そう)でなければ」 |
交渉や駆け引きにも使える強いフレーズ | |
91 | 「○○というと語弊があるが」 | 誤解を避けるためのクッション言葉 | |
92 | 「余計なお世話かもしれませんが」 | 「偉そうに!」と思われないために | |
93 | 「批判を承知で」 「批判を覚悟で」 「申し上げますが」 |
勇気を出して意見をいう | |
94 | 「暴論かもしれませんが」 | 大胆な意見をいうときに | |
95 | その他 | 「○○なことに」 | 書き手の気持ちを示すシグナル |
96 | 「多くの場合」 「世間一般では」 |
一般的な傾向や度合を示す | |
97 | 「○○の場合(は)」 | もしもの話を進めるかテーマ設定を知らせるか | |
98 | (○○を踏まえて) 「考慮して」 「勘案して」 「視野に入れて」 「念頭に置いて」 |
ビジネスで使える論理的フレーズ | |
99 | 「一見すると」 「一見して」 「表向きは」 |
パっと見の印象 | |
100 | 「くり返しになりますが」 | 念押し目的であえてくり返す | |
101 | 「○○すべきは ~点です」 |
「注目してね!」と旗を振る | |
102 | 「なぜ」 「どうして」 |
何かを聞く&疑問を呈するときの王道ワード | |
103 | 「○○いうと(いえば) ① 結論伝達系」 |
ビジネスシーンで信頼を得やすい表現 | |
104 | 「○○いうと(いえば) ② 情報まとめ系」 |
わかりやすくまとめる表現 | |
105 | 「○○いうと(いえば) ③ 誇張・強調・概ね系」 |
ドカンと、ビシっと、ザクっと伝える表現 |
助詞
- 「に」「と」の違い①
「に」のニュアンス:相手に向かっていく
「と」のニュアンス:相手と対等である
- 「に」「と」の違い②
「に」のニュアンス:結論を強調していない
(しぜんの流れでその結末になった)「と」のニュアンス:結論を強調している
(さまざまなプロセスを経てその結末になった) - 「に」「で」の違い
「に」のニュアンス:「場所」が【もの・こと】の所在地のとき
「で」のニュアンス:「場所」が【もの・こと】の利用地であるとき
- 「に」「へ」の違い
「に」のニュアンス:重視しているのが「目的地(移動や変化の結果)」
「へ」のニュアンス:重視しているのが「方向(移動や変化の過程)」
- 「に」「を」の違い
助詞と動詞の相性(合う・合わない)があすので難しいけど、以下のような感覚?
「に」のニュアンス:「目的地(舞台)や物体そのもの」を指す
「を」のニュアンス:「空間、直前の対象、ざっくり?」を指す
- 「が」「は」の違い
「が」のニュアンス:「が」は「が」の直前に重点を置く。
「は」のニュアンス:「は」は「は」の直後に重点を置く。
- 「の」連続使用に注意
連続すると幼稚な印象を与える
- 「の」「は」「が」「に」「を」の連続使用に注意
<対処案> 以下の方法でスマートな文章を変更する。
同じ助詞が連続して「読みにくい」と感じるときは、
「なくても意味が通じる助詞を削る」
「言い回しを変える」
「句点(。)を打つ」
「カッコを使う」
「語順を入れ替える」
「そもそも正しい助詞を選べていないケースもある」 - 並列助詞「たり」
「たり(だり)」は反復して使うのが原則
呼応表現(こおうひょうげん)
パターン | 呼応表現 |
---|---|
「結果+理由(原因)」 の文章① |
「なぜなら〜」は、 「〜(だ)から」で受ける |
「結果+理由(原因)」 の文章② |
「〜したのは(〜できたのは)」は、 「〜(だ)から」で受ける |
「テーマ(夢、目標)+内容」 の文章① |
「〜は」を 「〜こと」で受ける |
「テーマ(夢、目標)+内容」 の文章② |
「〜は」を 「〜にある」で受ける |
「テーマ(夢、目標)+内容」 の文章③ |
「〜には」を 「〜がある」で受ける |
「あわや」 | 危険の直前に示す言葉 (ハッピーには使わない) |
語尾に以下を伴う推量の言葉 〜だろう 〜はずだ 〜と思う |
「おそらく」 「たぶん」 「きっと」 「やがて」 「そのうち」 |
語尾に以下を伴う推量の言葉 「〜かもしれない」 |
「もしかしたら」 「ひょっとすると」 「ひょっとしたら」 |
語尾に以下を伴う断定の言葉 「〜だ」 「〜である」 「〜する」 |
「かならず」 「絶対に」 「まったく」 |
語尾に以下を伴う打ち消しの表現 「〜ない」 |
「全然」 「まったく」 「断じて」 「決して」 「さっぱり」 「それほど」 「少しも」 「ちっとも」 「絶対に」 「まるで」 |
語尾に以下を伴う伝聞・様態の言葉 「〜らしい」 「〜ようだ」 「〜そうだ」 「〜みたいだ」 |
「どうも」 「どうやら」 「まるで」 「いかにも」 「今にも」 「さも」 「あたかも」 |
語尾に以下を伴う希望や依頼の言葉 「〜たい」 |
「なんとしても」 「どうしても」 「できれば」 「できたら」 |
語尾に以下を伴う言葉 「〜してしまった」 |
「つい」 「うっかり(して)」 |
「たった今」 | 完了形「〜した」を伴う |
「ぜひ」 |
希望・依頼を意味する言葉に以下を伴う 「〜たい」 「〜てください」 |