2022年3月16日に『メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』が出版されました。
目次の俯瞰
メタバース進化論 - 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界 はじめに 物理現実で語るザッカーバーグ,メタバースから覗く原住民たち 「バーチャル美少女ねむ」の人生と来歴 メタバース原住民1,200人を分析「ソーシャルVR国勢調査」 本書の目的と内容 メタバースは荒野のフロンティア ホモ・メタバース――人類の進化のてがかり 第1章 メタバースとは何か メタバース前史 「メタバース」という言葉の由来 セカンドライフと初期のメタバース概念 メタバースの定義:実現に必要な七要件 メタバースは世界と世界を結びつける オープンメタバースとクローズドメタバース リアルワールドメタバース メタバースではないもの メタバースはSNSのことではない メタバースはオンラインゲームのことではない メタバースはAR・VRのことではない メタバースはNFT・ブロックチェーンのことではない メタバースがもたらす三つの革命 メタバースはアイデンティティの革命 メタバースはコミュニケーションの革命 メタバースは経済の革命 第2章 ソーシャルVRの世界 ソーシャルVR:既にある「必要最小限のメタバース」 「ソーシャルVR」とは何か ソーシャルVRの利用動向:VRChatが世界的に人気 VRChat:ソーシャルVRの概念を確立した存在 圧倒的な人口とコンテンツ自由度の高さ ソーシャルVRとしての基本的なしくみ 仮想世界最大のマーケットイベント「バーチャルマーケット」 メタバース時代の覇権を握るには山積する課題 Neos VR:メタバースを体現するソーシャルVR 仮想世界で循環する創造性と経済性 人類のクリエイティブを加速する革新的なしくみ メタバース内でミュージックビデオを共創してみた 敷居の高さが人口増加への課題 cluster:メタバース時代のイベントホール 圧倒的な収容力とアクセス性 メタバース内で気軽にイベントを開催できるしくみ 個人でもイベントに1,000人以上集められた 個人の商用利用が認められていない バーチャルキャスト:仮想空間の超高性能撮影スタジオ ニコニコ動画が生んだ配信のためのメタバース 配信を軸にした新たなコミュニケーションのしくみ 物理現実と仮想現実が融合したイベントを作ってみた 今後ソーシャル的な活用が広がるか 比較からわかる四大ソーシャルVRの個性 メタバースの七要件に基づいた評価 特徴と目的に合わせた利用実態 ソーシャルVRユーザーのプロファイル 累計プレイ時間:半数が500時間超え プレイ頻度:半数がほぼ毎日 一回あたりプレイ時間:半数が3時間以上 年代と性別:20代男性がボリュームゾーン Horizon Worlds:Metaの新サービスは何をもたらすのか 統一感のあるアバターの世界観 「なりたい自分になれる権利」への姿勢はまだ不透明 一般ユーザーへのきめ細かいナビゲーションと創造性の提供 メタバースになるための課題,交錯する期待と懸念 第3章 メタバースを支える技術 メタバースのために積み重ねられた人類の技術 「バーチャルリアリティ」とは何か VRゴーグル:VR体験の核 被るだけで仮想空間に没入できる VR元年からQuest 2の普及まで 没入感を実現する三つの映像性能 仮想空間でどれだけ動けるか:3DoFと6DoF ハイエンドなPCVRと手軽なスタンドアローンVR VRゴーグルの三つの「リスク」 トラッキング技術:仮想空間で自在に動く 物理現実の動きをリアルタイムに追跡する技術 アウトサイドイン方式とインサイドアウト方式 フルトラ:アバターの全身を動かす 調査から伺えるフルトラの圧倒的な需要 指トラ:アバターの指を自由自在に動かす アイトラ:アバターと目の動きが連動する 顔トラ:アバターの顔と一体になる アバター技術:仮想世界でなりたい自分になれる 「アバター」とは何か 「なりたい自分になれる権利」がぶつかる課題 VRM:アバターの統一規格 絵を描くようにアバターを作れる「VRoid Studio」 VRMがもたらした「なりたい自分になれる権利」 「アバターの人格権」を守るしくみ 「なりたい自分になれる」今後のメタバースの課題 第4章 アイデンティティのコスプレ 魂にアイデンティティを「纏う」革命 名前:言霊世界のアイデンティティ 新しい人生は名乗りから始まる メタバースでの実名利用率 仮名でも「オープンで透明な世界」に向けて アバター:視覚世界のアイデンティティ 性別も種族も全てが自由 アバターの性別:男も女も女性アバター 「心身の性別の不一致」でなりたい性別で暮らす人も 女性アバターが選ばれる三つの理由 日本における「バ美肉」文化 美少女は「枯山水」 アバター種族の多様性 アバター種族:亜人間がトップシェア 45% 声:音響世界のアイデンティティ 「なりたい自分」への最後の鍵 声コスプレ:加工音声によるコミュニケーション わずか16% 無言勢:非音声コミュニケーション 8% 文化によって違う加工音声の好み 男も女もkawaiiボイスになりたい ボイチェン勢:機械の力で声を変える勢力 9% 両声類:筋肉の力で声を変える勢力 5% バ美肉紅白:声コスプレの一般化に向けて 魂の新しいかたち 分人主義:人間な多様な側面を認める価値観 今,歩きだす「分人」 自己のイデアの発見 第5章 コミュニケーションのコスプレ 本当のコミュニケーションを「加速する」革命 メタバースでの距離感 空間が縮める心の距離 VR飲み会:「昭和の飲み屋街」で起こる最先端コミュニケーション なぜZoom飲みは流行らなかったのか メタバースでは距離感が近くなる 76% メタバースでのスキンシップ 物理的な触覚がなくても大切な「スキンシップ」 アバター同士のスキンシップをする 74% 不愉快なスキンシップに注意 メタバース恋愛 メタバースでも「恋」は芽生える メタバースで恋に落ちたのは40% 恋愛に物理性別は重要でない 75% アバターごしの恋の決め手は「性格」64% メタバースでの「お砂糖」とは? 「お砂糖」できたのは30% メタバースでの恋人は物理世界では恋人ではない 68% バーチャルセックス 「バーチャルセックス」とは何か バーチャルセックスが変える性のありかた バーチャルセックスの経験率と適正 社会の新しいかたち 人類を霊長たらしめたコミュニケーション能力 人類社会のプロトコルを書き換える 第6章 経済のコスプレ メタバース経済前夜:十年以内に百兆円の経済規模? ミクロ・マクロ両面で経済を「拡張する」革命 分人経済:多面性が生むクリエイターエコノミーの究極形 はじめての分人経済学 アバター経済圏 メタバース×ファッション Skebのアバターポートレート経済圏 分人経済が人々のクリエイター化を加速する アバターワークなら在宅で接客業ができる 分人経済で一番重要なこと 超空間経済:経済が地球の空間の限界から解放される はじめての超空間経済学 都市のデジタルツイン化 心象イメージによる超空間デザイン ワールドの広告表示権が巨大産業になる メタバース×地方創生 メタバース×学術 個人クリエイターによる超空間革命 メタバースで生まれる職業 3Dクリエイター:メタバース世界の創造神 メタバースイベンター:仮想空間の人流をコントロールする存在 メタバース接客業:仮想空間での触れ合いが価値になる 経済の新しいかたち 第7章 身体からの解放 生まれ持った肉体を「脱ぎ捨てる」 ファントムセンス概論 「ファントムセンス」とは何か メタバース原住民たちは何を感じているか ファントムセンスの原理:クロスモーダル現象と共感覚 ファントムセンス実態調査 どんなファントムセンスを感じるか:触覚が45% ファントムセンスを感じる部位:頭・顔が90% ファントムセンスとスキンシップ文化 ファントムセンスの鍵は「想像力」? 強くなる感覚と弱くなる感覚 ファントムセンスを「生やす」方法 触覚スーツ BMIによる「フルダイブVR」 「BMI(ブレイン・マシン・インタフェース)」とは 「ニューラリンク」の革命と「フルダイブVR」の夢 私たちの新しい身体 おわりに 鏡の中の「私」へ ホモ・メタバース――肩を寄せ合い,手と手をつないで メタバースが広まるために本当に必要なこと